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長唄のある風景

天国のヴァイオリニスト
2011.04.24 by Saki

2008年12月、玉川大学の同級生だったヴァイオリニストの井手麻沙子さんが、大腸癌のため26歳の若さで亡くなりました。
スイスローザンヌ音楽院へヴァイオリン留学中の2008年7月に発病し、わずか5ヶ月後のことでした。

今年の2月、その井手麻沙子さんをしのぶ「井手麻沙子Peace & Heartチャリティコンサート」が佐賀県立美術館ホールで催され、越後獅子ほか3曲を演奏致しました。
生前「音楽で社会とつながりたい」と語っていた麻沙子さん。その思いを叶えるため、麻沙子さんのお母様のお声かけにより、チェンバロ奏者の杉浦道子さん、ヴァイオリニストの三上亮さん、チェリストの香月圭佑さん、ピアニストの鳥羽亜矢子さん、そして多くのスタッフの皆様がその思いに賛同し、麻沙子さんの出身地である佐賀の地に集まりました。

今回のコンサートは、佐賀県、佐賀県教育委員会、佐賀県医師会、佐賀県企業メセナ協議会、佐賀新聞社、毎日新聞社、NHK佐賀放送局、STSサガテレビ、ぶんぶんテレビ、NBCラジオ佐賀、エフエム佐賀、玉川大学、玉川学園同窓会の皆様の後援によりテレビや新聞など多くのメディアに取り上げられるなど、チケットは早々に完売し、当日の客席は超満員となりました。
また、当日の収益とお客様からの心温かい募金は、後日「九州国際重粒子線がん治療センター」「毎日新聞社会事業団の小児がん征圧募金」「ミュージック・シェアリング」「カンボジア教育支援フロム佐賀」の各団体に、麻沙子さんの気持ちと共に届けられました。



演奏の様子


カーテンコール


共演者の皆様方と



また、コンサート翌日には有田焼所縁の地、泉山磁石場や陶山神社、酒井田柿右衛門窯、井上萬二窯などの名所を巡り、関係者の皆さま方との親睦を深めました。


有田焼の原料となる陶石の採掘場。元和2(1616)年、陶祖李参平が
日本で最初に白磁鉱を発見した場所だそうです。壮観!




陶山神社は狛犬、水甕、灯篭、お守り札全てが焼き物!
この白磁製の大鳥居には特にびっくり!



人間国宝、井上萬二氏と。伝統を受け継ぐとはどういうことか、
大変印象深いお話をして頂きました



CHINA ON THE PARKにて、共演の杵屋五助さん、望月左太寿郎さんと


沢山の楽しい音楽仲間ができました!


麻沙子さんのお母様、井手節子さん
ありがとうございました!



苦楽を共にした大学時代、当時からお互いプロの演奏家を目指していたため、会えば必ずお互いの演奏のことや、将来の夢について話し合っていたのを思い出します。
また麻沙子さんは、洋楽だけでなく日本の音楽にも興味を持ってくれて、在学中には歌舞伎座まで歌舞伎を観に来てくれたこともありました。
そんな麻沙子さんの音楽、芸術に対しての視野の広さと、強くまっすぐな思いは、闘病中も病室でヴァイオリンを弾かせるほどのものでした。
麻沙子さんは亡くなる2週間前に「私、学生で終わるのね。もっともっと勉強して、音楽で社会と繋がって、仕事がしたかったなぁ〜!」「皆に癌検診を受けて、と伝えてね。癌は早くさえ見つければ、こわい病気じゃない。私のように夢をあきらめなくてすむように…!」という言葉を残しました。

今回この佐賀の地での、麻沙子さんが導いてくれた数多くの出会いは、それこそ麻沙子さんが言っていた「音楽で社会とつながる」ということのように思います。

麻沙子さんが心奪われた音楽。
国境も、人種も、そして時代も越え、これからもずっと人と人との「心」を繋いでいくものでありますよう、いつまでも見守っていて下さい。



麻沙子ちゃん、ありがとう!

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